CLIコマンド
Astro が提供するコマンドラインインターフェイス(CLI)を使用して、ターミナルウィンドウからプロジェクトの開発、ビルド、およびプレビューができます。
astro
コマンド
セクションタイトル: astroコマンド好みのパッケージマネージャーによりこのページで説明されているコマンドのいずれかを実行し、CLIを使用します。オプションでフラグも指定できます。フラグはコマンドの動作をカスタマイズします。
最もよく使用するコマンドの1つはastro dev
です。このコマンドは開発サーバーを起動し、ブラウザで作業中のサイトのライブプレビューを提供します。
# 開発サーバーを起動するnpx astro dev
# 開発サーバーを起動するpnpm astro dev
# 開発サーバーを起動するyarn astro dev
ターミナルでastro --help
と入力すると、利用可能なすべてのコマンドのリストが表示されます。
npx astro --help
pnpm astro --help
yarn astro --help
ターミナルには以下のメッセージが表示されます。
astro [command] [...flags]
Commands add Add an integration. build Build your project and write it to disk. check Check your project for errors. dev Start the development server. docs Open documentation in your web browser. info List info about your current Astro setup. preview Preview your build locally. sync Generate TypeScript types for all Astro modules. preferences Configure user preferences. telemetry Configure telemetry settings.
Global Flags --config <path> Specify your config file. --root <path> Specify your project root folder. --site <url> Specify your project site.--base <pathname> Specify your project base. --verbose Enable verbose logging. --silent Disable all logging. --version Show the version number and exit. --open Open the app in the browser on server start. --help Show this help message.
フラグの前の --
は、 npm
が astro
コマンドにフラグを渡すために必要なものです。
package.json
スクリプト
セクションタイトル: package.jsonスクリプトこれらのコマンドの短縮版としてpackage.json
のスクリプトも使用できます。スクリプトにより、他のプロジェクトでよく見るnpm run build
のようなコマンドを使用できます。
最もよく使うastro
コマンド(astro dev
、astro build
、astro preview
)に対応する以下のスクリプトは、create astro
ウィザードを使用してプロジェクトを作成すると自動的に追加されます。
手動でAstroをインストールする手順に従うと、これらのスクリプトを自分で追加するよう促されます。また、このリストにその他のよく使用するコマンド用のスクリプトを手動で追加することもできます。
{ "scripts": { "dev": "astro dev", "start": "astro dev", "build": "astro build", "preview": "astro preview" }}
これらのastro
コマンド、またはそれらを実行するスクリプトは、フラグなしで使用することが多いですが、コマンドの動作をカスタマイズしたい場合はコマンドにフラグを追加します。たとえば、開発サーバーを別のポートで起動したり、サイトをビルドする際にデバッグ用に詳細なログを出力したりできます。
# `package.json`の`start`スクリプトを使用して、ポート8080で開発サーバーを起動するnpm run start -- --port 8080
# `package.json`の`build`スクリプトを使用して、サイトのビルド時に詳細なログを出力するnpm run build -- --verbose
# `package.json`の`start`スクリプトを使用して、ポート8080で開発サーバーを起動するpnpm start --port 8080
# `package.json`の`build`スクリプトを使用して、サイトのビルド時に詳細なログを出力するpnpm build --verbose
# `package.json`の`start`スクリプトを使用して、ポート8080で開発サーバーを起動するyarn start --port 8080
# `package.json`の`build`スクリプトを使用して、サイトのビルド時に詳細なログを出力するyarn build --verbose
astro dev
セクションタイトル: astro devAstroの開発サーバーを起動します。これはアセットをバンドルしないローカルのHTTPサーバーです。ホットモジュールリプレースメント(HMR)を使用して、エディターで変更を保存した際にブラウザを更新します。
astro build
セクションタイトル: astro buildサイトをデプロイ用にビルドします。デフォルトでは、静的ファイルを生成しdist/
ディレクトリに配置します。SSRが有効な場合 (EN)には、サイトに必要なサーバーのファイルを生成します。
下記の共通のフラグと組み合わせられます。
astro preview
セクションタイトル: astro previewastro build
の実行により作成される静的ディレクトリ(デフォルトではdist/
)のコンテンツを配信するためのローカルサーバーを起動します。
このコマンドにより、サイトをビルド後にローカルでプレビューし、デプロイ前にビルド出力のエラーを見つけられます。本番環境で実行するようには設計されていません。本番環境のホスティングについて知りたい場合は、Astroウェブサイトをデプロイするためのガイドを確認してください。
Astro 1.5.0から、アダプターがサポートしている場合はSSRビルドに対してもastro preview
を使えます。現在、Nodeアダプター (EN)のみastro preview
をサポートしています。
下記の共通のフラグと組み合わせることができます。
astro check
セクションタイトル: astro checkプロジェクトに対して診断機能(.astro
ファイル内の型チェックなど)を実行し、コンソールにエラーを報告します。もし何かエラーがあれば、終了ステータス1でプロセスが終了します。
このコマンドはCIワークフローで使用されることを想定しています。
フラグ
コマンドの動作をカスタマイズするために以下のフラグを使用してください。
--watch
セクションタイトル: --watchプロジェクトの変更を監視し、エラーを報告します。
--root <path-to-dir>
セクションタイトル: --root <path-to-dir>異なるルートディレクトリを指定します。デフォルトでは現在の作業ディレクトリを使用します。
--tsconfig <path-to-file>
セクションタイトル: --tsconfig <path-to-file>手動でtsconfig.json
ファイルを指定します。指定しない場合、Astroは設定を探すか、プロジェクトの設定を自動的に推測します。
--minimumFailingSeverity <error|warning|hint>
セクションタイトル: --minimumFailingSeverity <error|warning|hint>コマンドを終了するために必要な最小の重要度を指定します。デフォルトはerror
です。
たとえばastro check --minimumFailingSeverity warning
を実行すると、警告が検出された場合にコマンドがエラーで終了します。
--minimumSeverity <error|warning|hint>
セクションタイトル: --minimumSeverity <error|warning|hint>出力される最小の重要度を指定します。デフォルトはhint
です。
たとえばastro check --minimumSeverity warning
を実行すると、エラーと警告が表示されますが、ヒントは表示されません。
--preserveWatchOutput
セクションタイトル: --preserveWatchOutputウォッチモードでチェックしている間、出力をクリアしないように指定します。
--noSync
セクションタイトル: --noSyncプロジェクトをチェックする前にastro sync
を実行しないように指定します。
astro sync
セクションタイトル: astro sync
追加:
astro@2.0.0
astro dev
、astro build
、またはastro check
を実行すると、sync
コマンドも実行されます。
すべてのAstroモジュールに対してTypeScriptの型を生成します。これにより、型推論に使用するsrc/env.d.ts
ファイルが設定され、生成される型に依存する機能のモジュールが定義されます。
- コンテンツコレクションAPIのための
astro:content
モジュール - Astro DB (EN)のための
astro:db
モジュール - 実験的なAstro Envのための
astro:env
モジュール - Astroアクション (EN)のための
astro:actions
モジュール
astro add
セクションタイトル: astro add設定ファイルにインテグレーションを追加します。詳しくはインテグレーションガイドを確認してください。
astro docs
セクションタイトル: astro docsターミナルからAstroのドキュメントサイトを直接起動します。
astro info
セクションタイトル: astro info現在のAstro環境に関する重要な情報を報告します。Issueを開く際の情報提供に便利です。
astro info
以下は出力例です。
Astro v3.0.12Node v20.5.1System macOS (arm64)Package Manager pnpmOutput serverAdapter @astrojs/vercel/serverlessIntegrations none
astro preferences
セクションタイトル: astro preferencesユーザー設定はastro preferences
コマンドで管理します。ユーザーの設定はAstroの個々のユーザーに固有です。プロジェクトで作業するすべての人に影響するastro.config.mjs
ファイルとは異なります。
ユーザー設定はデフォルトで現在のプロジェクトにスコープされ、ローカルの.astro/settings.json
ファイルに保存されます。
--global
フラグを使用すると、ユーザー設定を現在のマシン上のすべてのAstroプロジェクトに適用できます。グローバルユーザー設定は、オペレーティングシステム固有の場所に保存されます。
設定可能な値
devToolbar
— ブラウザ内の開発ツールバーを有効化または無効化します。(デフォルトはtrue
)checkUpdates
— Astro CLIの自動更新チェックを有効化または無効化します。(デフォルトはtrue
)
list
コマンドは、設定可能なすべてのユーザー設定の現在値を出力します。機械可読な--json
出力もサポートしています。
astro preferences list
ターミナル出力の例:
設定 | 値 |
---|---|
devToolbar.enabled | true |
checkUpdates.enabled | true |
設定をenable
、disable
、またはデフォルト値にreset
できます。
たとえば、特定のAstroプロジェクトで開発ツールバーを無効にするには以下のようにします。
astro preferences disable devToolbar
現在のマシン上のすべてのAstroプロジェクトで開発ツールバーを無効にするには以下のようにします。
astro preferences disable --global devToolbar
あとで開発ツールバーを有効にするには以下のようにします。
astro preferences enable devToolbar
reset
コマンドは設定をデフォルト値にリセットします。
astro preferences reset devToolbar
astro telemetry
セクションタイトル: astro telemetry現在のCLIのユーザーに対してテレメトリーの設定をおこないます。テレメトリーは、Astroのどの機能がもっともよく使われているかをAstroチームに提供するための匿名のデータです。詳しくはAstroのテレメトリーページを確認してください。
テレメトリーは以下のCLIコマンドで無効にできます。
astro telemetry disable
テレメトリーは次のコマンドにより再び有効にできます。
astro telemetry enable
reset
コマンドはテレメトリーのデータをリセットします。
astro telemetry reset
CIスクリプトにastro telemetry disable
コマンドを追加するか、ASTRO_TELEMETRY_DISABLED
環境変数を設定してください。
共通のフラグ
セクションタイトル: 共通のフラグ--root <path>
セクションタイトル: --root <path>プロジェクトルートのパスを指定します。もし何も指定されなければ現在の作業ディレクトリがルートとみなされます。
ルートはAstroの設定ファイルを見つけるために使用されます。
astro --root myRootFolder/myProjectFolder dev
--config <path>
セクションタイトル: --config <path>プロジェクトルートからの相対パスで設定ファイルのパスを指定します。デフォルト値はastro.config.mjs
です。異なる名前の設定ファイルを使用する場合や別のフォルダに設定ファイルがある場合はこのフラグを使用してください。
astro --config config/astro.config.mjs dev
--outDir <path>
セクションタイトル: --outDir <path>
追加:
astro@3.3.0
プロジェクトのoutDir
を設定します。このフラグを渡すと、astro.config.mjs
ファイルのoutDir
の値が上書きされます。
--site <url>
セクションタイトル: --site <url>プロジェクトのsite
を設定します。このフラグを渡すと、astro.config.mjs
ファイルのsite
の値が上書きされます。
--base <pathname>
セクションタイトル: --base <pathname>
追加:
astro@1.4.1
プロジェクトのbase
を設定します。このフラグを渡すと、astro.config.mjs
ファイルのbase
の値が上書きされます。
--port <ポート番号>
セクションタイトル: --port <ポート番号>どのポートで開発サーバーとプレビューサーバーを起動するかを指定します。デフォルト値は4321
です。
--host [オプションのホストアドレス]
セクションタイトル: --host [オプションのホストアドレス]開発サーバーとプレビューサーバーがリッスンするネットワークIPアドレス、たとえばlocalhost以外のIPアドレスなどを設定します。これは開発時に携帯電話などのローカルの端末でプロジェクトをテストする際に便利です。
--host
- LANやパブリックのアドレスを含むすべてのアドレスでリッスンします--host <カスタムアドレス>
-<カスタムアドレス>
のネットワークIPアドレスで公開します
本番環境で開発サーバーとプレビューサーバーを公開するために--host
フラグを使用しないでください。サーバーはサイト開発時にローカルで使用する場合のみを想定して設計されています。
--verbose
セクションタイトル: --verbose詳細なログを有効にします。これは問題をデバッグするのに有用です。
--silent
セクションタイトル: --silentサイレントなロギングを有効にし、コンソールの出力なしでサーバーが実行されます。
グローバルのフラグ
セクションタイトル: グローバルのフラグastro
のCLIについての情報を取得するために以下のフラグを使用してください。
--version
セクションタイトル: --versionAstroのバージョン番号を出力し、終了します。
--open
セクションタイトル: --openサーバーの起動時に自動的にブラウザでアプリを開きます。開く対象のURLを指定するために、完全なURL文字列(たとえば--open http://example.com
)またはpathname(たとえば--open /about
)を指定できます。
--help
セクションタイトル: --helpヘルプメッセージを出力し、終了します。
高度なAPI(実験的)
セクションタイトル: 高度なAPI(実験的)Astroを実行する際により細かな制御が必要な場合のために、"astro"
パッケージはCLIコマンドをプログラムで実行するためのAPIもエクスポートしています。
これらのAPIは実験的であり、APIのシグネチャは変更される可能性があります。更新情報はAstroの変更履歴に記載されており、以下の情報は常に現在の最新情報を表示しています。
AstroInlineConfig
セクションタイトル: AstroInlineConfigAstroInlineConfig
型は以下のすべてのコマンドAPIで使用されます。これはユーザーのAstro設定型の拡張です。
interface AstroInlineConfig extends AstroUserConfig { configFile?: string | false; mode?: "development" | "production"; logLevel?: "debug" | "info" | "warn" | "error" | "silent";}
configFile
セクションタイトル: configFileデータ型: string | false
デフォルト値: undefined
Astro設定ファイルへのカスタムパスです。
この値がundefind(デフォルト)であるか設定されていない場合、Astroはroot
を起点としてastro.config.(js,mjs,ts,mts)
ファイルを検索し、設定ファイルが見つかればそれを読み込みます。
相対パスが設定されている場合、root
オプションを基準として解決されます。
設定ファイルの読み込みを無効にするにはfalse
を設定します。
このオブジェクトに渡されたインライン設定は、読み込まれた他のユーザー設定とマージされる際に最優先されます。
mode
セクションタイトル: modeデータ型: "development" | "production"
デフォルト値: astro dev
の実行時は"development"
、astro build
の実行時は"production"
サイトをビルドする際に使用されるモードで、“development”または”production”のコードを生成します。
logLevel
セクションタイトル: logLevelデータ型: "debug" | "info" | "warn" | "error" | "silent"
デフォルト値: "info"
Astroが出力するログメッセージをフィルタリングするためのログレベルです。
"debug"
: ノイズを含むデバッグ用の情報とともにすべてのログを出力します。"info"
: 情報メッセージ、警告、エラーをログに出力します。"warn"
: 警告とエラーをログに出力します。"error"
: エラーのみをログに出力します。"silent"
: ログを出力しません。
dev()
セクションタイトル: dev()データ型: (inlineConfig: AstroInlineConfig) => Promise<DevServer>
astro dev
と同様に、Astroの開発サーバーを実行します。
import { dev } from "astro";
const devServer = await dev({ root: "./my-project",});
// 必要に応じてサーバーを停止するawait devServer.stop();
DevServer
セクションタイトル: DevServerexport interface DevServer { address: AddressInfo; handle: (req: http.IncomingMessage, res: http.ServerResponse<http.IncomingMessage>) => void; watcher: vite.FSWatcher; stop(): Promise<void>;}
address
セクションタイトル: address開発サーバーがリッスンしているアドレスです。
このプロパティには、Nodeのnet.Server#address()
メソッドによって返される値が含まれます。
handle()
セクションタイトル: handle()生のNode HTTPリクエストのハンドルです。ネットワークを介してリクエストを送信する代わりに、handle()
をhttp.IncomingMessage
とhttp.ServerResponse
と共に呼び出すことができます。
watcher
セクションタイトル: watcherViteの開発サーバーによって公開されるChokidarのファイルウォッチャーです。
stop()
セクションタイトル: stop()開発サーバーを停止します。すべてのアイドル状態の接続を閉じ、新しい接続のリッスンを停止します。
保留中のリクエストがすべてfullfillされ、すべてのアイドル状態の接続が閉じられると解決するPromise
を返します。
build()
セクションタイトル: build()データ型: (inlineConfig: AstroInlineConfig) => Promise<void>
astro build
と同様に、サイトをデプロイ用にビルドします。
import { build } from "astro";
await build({ root: "./my-project",});
preview()
セクションタイトル: preview()データ型: (inlineConfig: AstroInlineConfig) => Promise<PreviewServer>
astro preview
と同様に、ビルド出力を配信するためのローカルサーバーを起動します。
アダプターが設定されていない場合、プレビューサーバーはビルドされた静的ファイルのみを配信します。アダプターが設定されている場合、プレビューサーバーはアダプターによって提供されます。アダプターはプレビューサーバーを提供する必要はないため、選択したアダプターによってはこの機能が利用できない場合があります。
import { preview } from "astro";
const previewServer = await preview({ root: "./my-project",});
// 必要に応じてサーバーを停止するawait previewServer.stop();
PreviewServer
セクションタイトル: PreviewServerexport interface PreviewServer { host?: string; port: number; closed(): Promise<void>; stop(): Promise<void>;}
host
セクションタイトル: hostサーバーが接続をリッスンしているホストです。
アダプターはこのフィールドを設定しない場合があります。host
の値は実装に依存します。
port
セクションタイトル: portサーバーが接続をリッスンしているポートです。
stop()
セクションタイトル: stop()プレビューサーバーをクローズし、リクエストの受け入れを停止し、アイドル状態の接続を切断するように要求します。
返されるPromise
は、クローズリクエストが送信されると解決します。これはサーバーがクローズしたことを意味しません。サーバーが完全にクローズされたことを確認する必要がある場合は、closed()
メソッドを使用してください。
closed()
セクションタイトル: closed()サーバーがクローズされると解決し、サーバーでエラーが発生した場合はリジェクトするPromise
を返します。
sync()
セクションタイトル: sync()データ型: (inlineConfig: AstroInlineConfig) => Promise<void>
astro sync
と同様に、すべてのAstroモジュールに対してTypeScriptの型を生成します。
import { sync } from "astro";
await sync({ root: "./my-project",});